第129章 あなたのことなら、面倒ではない

藤井一輝は当然のように気を抜かず、すぐさま人を動かして手配に入った。

通話を切っても、南雲玲奈は帰らない。

薬を盗まれ、しかも世に出された以上、こちらが指をくわえているわけにはいかなかった。

彼女にできることは一つ。

処方をさらにアップデートし、元の薬効をもう一段――引き上げる。

とはいえ、すぐに解決できる話じゃない。時間がない。

だからこそ、余計な思考に沈む暇もなく、玲奈はすぐにパソコンを開き、処方と全データを洗い直し始めた。

気づけば、夜が明けていた。

窓の外が白みはじめた頃、南雲玲奈は――背筋が凍るような発見をする。

以前開発した『安心丸』のデータに、わずかな欠陥と穴...

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